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HIVの薬って?

WHAT’S

エイズの治療は、抗レトロウイルス療法(ART)が主な方法となっています。

複数の抗HIV薬を組み合わせて使用する治療法で、これにより、HIVの増殖を抑制し、CD4陽性T細胞(免疫細胞)の数を増やすことができます。
ARTは、HIV感染の進行を遅らせ、後天性免疫不全症候群(エイズ)の発症を予防し、生命予後を改善する効果があります。

抗レトロウイルス療法(ART)

ART

抗HIV薬は下記の6つに分類されます。

  • 核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)
  • 非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)
  • プロテアーゼ阻害剤(PI)
  • インテグラーゼ阻害剤(INDTI)
  • 侵入阻害剤(CCR5阻害剤)
  • カプシド阻害剤(CAI)

これらの抗ウイルス薬を組み合わせて治療する抗レトロウイルス療法(ART)が治療の基本です。

抗HIV薬の中でHIVを抑制する効果がより強力な薬剤を「キードラッグ」、キードラッグを捕捉しウイルス抑制効果を高める役割をもつ薬剤を「バックボーン」といいます。
上記薬剤の中でバックボーンをNRTI2剤とし、キードラッグを1剤とする組み合わせが一般的です。

ARTの服用

TAKE

服用について

HIV感染症の治療は3~4種類の抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法が基本です。
最近では2~3種類の成分が1錠の中に含まれた配合錠が多数出てきており、1日1回1錠内服での治療も可能となっています。

また、半年以上ウイルス量が安定している患者さんは、1~2か月に1回の筋肉注射のお薬もあります。

もし、これまで使用してきたお薬が耐性となってしまった場合、以前はお薬の組み合わせを変えるのが一般的でしたが、 近年ではお薬の組み合わせを変えずに6か月に1回皮下注射するお薬を上乗せし、効きにくくなったウイルスにも効果を示すものも出てきました。

服用に関する注意点

1996年に多剤併用療法が開発されてからはHIV患者さんの予後は飛躍的に改善しています。
しかし、抗HIV薬はHIVを体内から完全に排除できるものではありません。そのため、抗HIV薬を開始したら、一生継続していくことになります。
患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせて、確実に内服を続けられるタイミングを一緒に考えていきましょう。

お薬の中には、必ず食後に服用しないと効果が期待できないものもありますので、患者さんの食事時間や食事内容を考慮する場合もあります。

また、他の疾患でお薬を服用している患者さんは、飲み合わせに注意が必要な薬剤もありますのでご相談ください。

副作用管理

以前のARTでは、悪心・嘔吐、頭痛、悪夢を見るといった副作用がみられましたが、最近の治療薬は副作用が起こりにくいものが一般的です。

注射薬の場合、2~3日は注射部位の痛みやだるさを感じることもあります。
気になる症状がございましたらいつでもご相談ください。

定期的な受診とフォローアップ

FOLLOW

継続して受診が必要なこと

エイズを発症させないためには、継続して受診することが大切です。HIVのウイルス量やCD4の数を医師がチェックし、必要に応じて薬の変更や薬物耐性検査を検討します。

治療の中断について

治療を中断すると、HIVのウイルス量が増え、CD4の数が減少することによってエイズの発症につながります。 服薬を忘れないために、アラーム機能を活用するのもいいでしょう。
しかし、副作用がつらい、周りに服薬を知られたくないなどの様々な理由で治療を自己中断してしまうケースはよく見受けられます。
すっぱりと服薬をやめてしまうよりも、飲んだり飲まなかったりと不規則な飲み方を続ける方が、耐性ウイルスが生まれやすいことがわかっています。

服薬について悩んだら、一人で抱え込まずに医療スタッフに相談しましょう。
ライフスタイルに合わせて服薬タイミングを変更したり、服薬回数を減らすことで継続して飲みやすくなる可能性があります。

ポイント

治療法や状況は個々の患者によって異なるため、エイズ治療は常に個別にカスタマイズされる必要があります。
重要なのは、医師との協力と定期的な医療フォローアップを受けることです。

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