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HIV/AIDSの基礎知識

HIVについて

HIV/AIDSってどんな病気?

WHAT’S

HIVはヒト免疫不全ウイルスの略で、血液や体液を介して感染し、多くは性行為によって感染するウイルスです。
感染すると、どうなるの?

HIVに感染すると、初期は症状のないことが多いですが、感染して約10年程度経つと、免疫を担うリンパ球の数が少なくなり、感染症にかかりやすい状態や、がんになりやすい状態になります。
そして、実際に感染したり、がんになった状態のことを、エイズ(AIDS)といいます。

近年、抗HIV薬の開発が進み、飲み薬を毎日続けることで、通常の生活を送ることができるようになりました。しかし、根治に至るような薬は未だ開発されておらず、薬を中断してしまうとAIDSを発症してしまう可能性があるため、生涯にわたって飲み続ける必要があります。

2022年は、日本国内で600人程度の新規感染者が報告され、累計のHIV感染者は2万3千人を超えました。世界中では年間180万人の新規感染者と100万人のエイズによる死亡者が発生していることからも、ぜひ知ってもらいたい感染症です。

出典:HIV/AIDS 2022年(IASR Vol. 44 p151-153: 2023年10月号)

HIVの症状について

SYMPTOMS

HIVに感染した後、抗ウイルス薬による治療が行われずに時間が進むと、①感染初期(急性期)、②無症候期、③AIDS発症期と経過します。

  • 感染初期

    感染初期では、HIVが急激に増殖することで免疫反応が起こり、発熱、倦怠感、筋肉痛、リンパ節の腫れや皮疹といった、インフルエンザに似た症状が起こることがあります。
    しかし、そういった症状は何も治療をせずとも数週間で自然に治ります。

    感染初期のイメージイラスト

  • 無症候期

    無症候期では、その名の通り何も症状がないため、HIVに感染していてもまったく気づかないことがあります。しかし、この期間の間もHIVは増殖し続け、毎日100億個前後のウイルスを産生します。ウイルスは、免疫を担当する細胞であるCD4リンパ球に感染し、壊してしまうことで、数年~10年の間、リンパ球とウイルスの平衡状態が続きます。

    無症候期のイメージイラスト

  • AIDS発症期

    感染から約10年が経過し、リンパ球とウイルスの戦いが終わると、免疫機能が破綻します。血中ウイルス量(HIV RNA量)が増加し、CD4陽性リンパ球が減少することで、エイズを発症し、様々な感染症を引き起こしたり、がんになったりすることがあります。

    AIDS発症期のイメージイラスト

HIVの感染経路について

ROUTE

HIVの感染経路のほとんどは性行為による感染です。感染を予防するためにはコンドームを正しく使うことや、リスクの高い性行為を避けることが重要です。

また、感染機会があれば、たとえ無症状であったとしてもHIVを感染している可能性があるため、気になる場合はHIV検査を受けましょう。

感染の機会から2カ月の間はウィンドウ期と呼ばれ、感染していても検査が陰性となることがあります。正しい結果を知るためには、時間が経ったうえで検査をすることが重要です。

※ 出典:J Clin Virol. 2012 May;54(1):42-7.

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